株主・投資家の皆さまへ

代表取締役 社長執行役員 木村岳史 

 株主の皆様におかれましては、日頃より当社グループ事業へのご理解とともに多大なご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 このたび当社は、第29回定時株主総会のご承認を経て、芝宮孝司を代表取締役 会長執行役員、木村岳史を代表取締役 社長執行役員とする新体制を発足しました。事業のさらなる発展に力を尽くし、社員とともに邁進してまいりますので、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 第29期(2024年3月期)は、エレクトロニクス市場全般においてコロナ特需の反動減や中国経済の停滞による影響が拡がり、車載機器や産業機器、通信機器、民生機器など各分野で、半導体・電子部品の在庫調整が生じる状況となりました。そうした中で当社グループは、アナログ電源ICの開発・販売を行う旧トレックスグループ(以下、トレックス)、ディスクリート半導体の受託製造を行うフェニテックセミコンダクター(以下、フェニテック)ともに売上高が大きく減少しました。受注環境の悪化を受け、トレックスにおいては、製品在庫の棚卸評価損など23億30百万円の影響額を損失計上し、また外部投資先の生産ラインに対する固定資産などの減損損失として、約17億円を計上しました。
 結果として第29期の連結業績は、売上高257億51百万円(前期比19.4%減)、営業損失17億78百万円(前期は39億76百万円の営業利益)、経常損失24億52百万円(前期は39億81百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失42億97百万円(前期は21億79百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
 現在の市場は、在庫調整局面がしばらく続く様相を示しており、需要の回復は、第30期(2025年3月期)後半以降になる見通しです。しかし、アナログ電源ICやパワーデバイスなど当社グループが提供する製品は、私たちの生活と産業の発展に必要不可欠な存在であり、中長期的には著しい需要増加が見込まれます。当社グループは、今後の市場回復・再拡大を見据えながら、引き続き新製品の開発および量産体制の整備を進め、市場の伸びを積極的に取り込むことで、持続的成長を遂げてまいります。

2024年6月

代表取締役 社長執行役員 木村 岳史